インターンから経営陣まで駆け上がったキャリアにおける「LIFE SHIFT」とは。 ーシードテック CTO 平井 真哉インタビュー - Seed Tech Inc.

インターンから経営陣まで駆け上がったキャリアにおける「LIFE SHIFT」とは。 ーシードテック CTO 平井 真哉インタビュー

シードテックでは、フィリピン・セブ島でのIT留学「Seed Tech School」、未経験からDX・IT人材を育てるSaaS型人材育成サービス「ソダテク」、ラボチーム組成によるオフショア・ニアショア開発「Seed Tech Lab」、そしてクライアントの課題やニーズに幅広く対応する「ITソリューション事業」という4つの事業を進めてきました。

今回は創業当初からインターンとしてメンバーに加わり、現在はシードテックのCTOであり、グループ企業のシードテックフィリピンのCEOを務める平井さんに、これまでのキャリアについてお話を伺いました。

シードテックが大切にしている「LIFE SHIFT」というコンセプトを、最も体現しているといっても過言ではない平井さんの話を通じ、人生が変わるきっかけや挑戦の日々をお伝えできればと考えています。

テレビドラマの世界が、ITエンジニアへの道を決めた

ー平井さん、本日はよろしくお願いします。今回はインターンから経営陣まで駆け上がったそのキャリアについてお話を伺っていきたいと思っていますが、まずはITエンジニアを目指そうと思ったきっかけから教えてください。

高校を卒業して、私は大学に進学した一方で、親友が起業したんです。彼が仕事をしている横で私はゲームをしているという対照的な時間を過ごしていた中で「真哉、そんなにゲーム好きなんやったら、作るほうも向いてるんちゃう?」と言われて、ITエンジニアの仕事について検索しました。それがきっかけです。

同い年くらいのエンジニアが1ヶ月で100万円くらい稼いでいるという情報を見て「めっちゃいいやん」と思って始めてみたんですが、当時はプログラミングスクールもなければ、オンラインでの学習機会もなかったので、いろいろな教材をかき集めながら独学でやってみたものの、全然ダメで。才能がないのかなと挫折に挫折を繰り返していました。

そんな時、『リッチマン・プアウーマン』というテレビドラマが放送されていて、主人公の小栗旬さんが演じた若きITベンチャー社長の姿がとにかくカッコよかったんです。「やっぱり、ITエンジニアの道を進もう、俺も小栗旬みたいになろう」と心に決めました。主題歌のmiwaさんの「ヒカリヘ」は、大きな商談の前などに自分をアゲる曲として今でも聴いていますね(笑)。

ーあのドラマが放送されていた2012年頃は、スティーブ・ジョブズ氏やマーク・ザッカーバーグ氏のサクセスストーリーや哲学などが、ビジネスパーソンを中心によく語られていたことを思い出します。

あの頃、エンジニアを目指した人は「ジョブズみたいになりたい、ああいうプレゼンをしてみたい」と一度は絶対思ったんじゃないですかね。必ず通る道だったと思います。

私自身、ミーハーなところがあるので、テレビドラマの世界に影響を受けて、ITエンジニアを仕事にする意思が固まったんですが、人生を変えるきっかけって、案外そういうものではないかと最近では感じています。そもそもは、親友の一言からITエンジニアの仕事を知ったという縁や運の要素もありますし、身近に転がっている情報が数年、数十年経って、現在に繋がっているということは多いですよね。

ーシードテックとの出会いはどういったものだったんですか。

字面にすると分かりづらいと思いますが、中学時代からの私の友人の当時のパートナーとシードテック立ち上げ時のメンバーが、シリコンバレーにある企業のインターンの同期だったんです。そんな不思議な縁でシードテックのことを知りました。

当時は学生でありながら、ITエンジニアとして仕事を始めていて、せっかくだったら海外に出たいと思い、facebookで「海外に行きたい、行くんだ」というアピールをしていたんです。英語圏で物価が安く、できれば暖かいところがいいなと思って、フィリピンかフィジーのどちらかに行こうと思っていた中で、NexSeedの海外拠点立ち上げの話を伝え聞いて、あれよあれよという間に、フィリピン・セブ島に向かいました。2013年5月のことですね。

ー目まぐるしい出発ですね。

今でこそ、東証スタンダード上場企業のグループ会社というステータスがありますが、その頃はまだ会社が立ち上がったばかりで、ベンチャー企業の創業当初のイケイケな気質が充満していました。代表の高原もめちゃくちゃ尖っていましたしね(笑)。その雰囲気が成長に繋がると感じましたし、私が求めていた環境もそういったところだったので、うまくフィットしたんだと思います。

こうやって振り返ってみると、当時の雰囲気の良さを残しつつ、少しずつ組織が成熟してきたのだとしみじみと感じますね。シードテックは、事業を通じて関わる全ての人たちの「Life shift platform」になりたいという想いを掲げていますが、「LIFE SHIFT」を体現したパイオニアの一人だと自負しています。あの時、フィリピン行きを決めて、本当に良かったです。

IT留学のサービスを生み出した、最初のセブ島渡航

ーセブ島に着いてからのお話を伺いたいと思うんですが、どういった仕事をしていたんですか。

代表の高原と「3ヶ月で成果が出なかったら帰国」という約束で渡航したんです。まだ学生だったこともあり、期限を設けて受け入れていただきました。厳しいなと思いましたが、親心でもあったと思います。

セブ島では「IT系の事業やサービスをひとつ立ち上げて、利益を出せ」というミッションのもと、ひたすらアイデアを練って、市場調査して、サービスの企画書やプロトタイプを作って、フィードバックを受けてという毎日を送っていました。

あの時考えた企画の中では、投げ銭システムで現地の人からオンラインで英語を学ぶというサービスが一番手応えがありました。最近のオンラインサービスを見る限り、やり続けていたら、事業のひとつに加わっていたかもしれませんね。

実際のところ、約束の3ヶ月でこの企画が生まれ、渡航期間を2ヶ月延長して、サービス開発しました。iOSアプリの開発やインフラ周りの構築など、すべて自分でやりました。コードを書くだけでなく、ビジネスのことまで考えられる、ITエンジニアとしての視野が広がるいい武者修行だったと思います。ただ、この直後にIT留学の構想が生まれ、撤退しました。

ー確かに、最近のライブ配信サービスなどを見ると、あり得た話かもしれませんね。ちょうどお話が出たように、現在の事業の中心の一つであるIT留学は、このタイミングでアイデアが生まれたと伺っています。

先ほども話しましたが、ITエンジニアを目指そうにも学習環境がなかったんですよね。絶対に稼げる仕事だと思いましたし、これからの社会を考えても必要な職種、スキルだとも思いました。ただ、当時は、独学で意思を強く持って学び続けるか、学費の高い専門学校に数年間通うかの2択でしたし、学んだとしてもITエンジニアになれる保証もなかった。この課題感はセブ島に行ってもずっと抱き続けていました。

渡航した時はまだ、語学留学しかサービスを提供しておらず、私自身、留学生の送迎などを業務として行っている中で、この留学期間にプログラミングまで一緒に学べればいいのに…と、思い巡らせていました。

代表の高原と飲んでいた時、ITエンジニアになるための学習環境が不足している話や語学とITを並行して学べないかという話をポロっとしたんです。そしたら「それ、ビジネスになるんじゃない?」というコメントをもらって、翌日から市場調査を始めました。

▲めちゃくちゃ反響があったfacebook投稿

「高原さん、まだどこにもそんなサービスないです!」と興奮して話したことを今でも鮮明に憶えていますが、ニーズがあるかどうか、実際に声を聞いてみようと、facebookに投稿したら、めちゃくちゃ反響があって、一気に事業化が決まりました。これが現在のIT留学事業「Seed Tech School」の始まりですね。

2013年11月に1期生を受け入れたのですが、それは私が渡航してから7ヶ月目のことでした。営業もマーケティングも講師もカリキュラム作成も留学生サポートも全部やりましたし、まさにスタートアップという環境でめちゃくちゃ楽しかったです。ただ、学生インターンでの渡航だったので、日本を発ってちょうど1年のタイミングで帰国しました。

ーこれまでのキャリアを聞こうと思っていたら、ほぼインターン時代の話で半分が過ぎようとしているのですが(笑)、帰国後にシードテックを一度離れ、その後戻ってきて、今に至っているんですよね。

実は帰国して1ヶ月で大学を辞めたんです。セブ島の日々の刺激が強すぎて、今までの環境に戻れなかったんですよね。そして、ITエンジニア育成を目的としたスクールの立ち上げから運営を手伝っていました。起業経験や経営管理の実務経験を積むことができましたし、営業やマーケティング、システム開発など、ありとあらゆることをやりました。

帰国から1年後には結婚もしたんですが、やっぱり海外でやりたいなという気持ちは強く、たまたま妻と行ったカラオケで1曲歌い終わった瞬間に「やばい、戻りたい」と思い至って、そのまま高原に「戻りたいです」と電話しました。話をした3ヶ月後には引越しなどを済ませ、セブに戻り、本格的にジョインしました。

ーセブ島に最初に渡航してからのわずか数年間が、とても濃密な時間になっていますね。

ふらふらした大学生だった自分が、ITエンジニアになり、セブ島で新しいビジネスにチャレンジし、様々な転機を迎えながら、シードテックに戻ってきたというこの数年間は、人生を変え、人生を決めた、まさに「LIFE SHIFT」のタイミングだったなと思います。

シードテックのCTO、シードテックフィリピンのCEOへ。

▲ギークスグループの年始恒例の書き初めイベントで書いた「環」

ーここまで平井さんのお話を伺っていると、ITエンジニアの仕事以上に、ITエンジニアを育てていくことへの想いが強いように見受けられます。

キャリアのスタートはITエンジニアですが、自分が抱えていた問題意識が原点となって、ITエンジニア教育に関わっていきたいという気持ちが強くなっていったことは事実ですね。

シードテックに戻ってきてから約6年間、IT留学の現場で教壇に立っていましたが、現在2,500名を超える卒業生がいる中で、初期から2,000名ほどは、私が講師として関わった生徒ですし、その半分はメンターという立場でサポートしました。

ITエンジニアとしての仕事を行ってきたからこそ、学びやすく教えやすいカリキュラムを設計することができましたし、生徒の傾向や躓きやすいポイントなどに合わせた指導もできました。生徒との関わりを積み重ねていく中で、講師としての違いを生み出せるようになったのではないかと感じています。

ビジネスを立ち上げた私自身の経験から、コードだけ書ける、実装だけできるようなITエンジニアではなく、ビジネスに対して強く、事業や企画の立案やコンサルテーション、プロジェクトマネジメントができる、上流工程から関われるITエンジニアを育てたいという気持ちが強いんです。

その結果が、未経験からDX・IT人材を育てるSaaS型人材育成サービス「ソダテク」やラボチーム組成によるオフショア・ニアショア開発「Seed Tech Lab」の立ち上げに繋がっています。

▲ラジオ関西の番組にも出演。

ーセブ島から帰国して、現在はシードテックのCTOとして事業を推進していく役割を担っています。ITエンジニアの育成の現場から、開発・営業の現場へとステージが大きく変わった印象です。

コロナ禍におけるフィリピンのロックダウンの影響で、IT留学のサービスがまったく運営できなくなったことが、シードテックとしても、私自身のキャリアとしても、大きな転機でした。渡航禁止、外出制限がある中で、IT留学なんてとても無理でしたし、シードテックのメンバーが日本に帰国できない時間も続きました。

「このまま指を咥えて、会社が沈んでいくのを待つだけか」というところでタダでは終わらないのが私たちで、IT留学で提供していたプログラミング教育のカリキュラムをオンラインで提供できるように環境を整え、動画コンテンツに落とし込み、未経験からDX・IT人材を育てるSaaS型人材育成サービスとして「ソダテク」をリリースしました。

また、エンジニアチームのマネージャーとして、現地でフィリピン人ITエンジニアを育成し、オフショア開発の拠点を立ち上げていたのですが、少しでも多くの案件を受託し、売上を立てていくことで苦難を乗り切りました。営業もマーケティングも行いましたし、開発にも加わり、エンジニアチームの組織づくりも推進しました。一心不乱でしたね。

コロナ禍が落ち着いた以降は、社内の組織戦略上、営業やマーケティングの部分を私が引き継いだこともあり、現在は、シードテックではCTOを務め、オフショア開発を行う現地法人のシードテックフィリピンではCEOを任されています。初めてセブ島に足を運んでから10年とちょっとですが、ここまで駆け上がってきました。

▲ギークスグループの「CSRレポート2024」にも登場

ーお話を伺っていると、平井さんの強みは「チャレンジ精神」や「決めたらやり抜く力」のように感じるのですが、ご自身から見て、強みはどういった点があると思いますか。

企業課題に対して、システム開発に対する提案やエンジニア組織の強化改善、エンジニア育成の機会創出など、企業の置かれている状況や環境に応じて、最適な施策を提示できるコンサルタントとしての視点が強みだと思っています。営業現場でのクライアントの皆さんとのコミュニケーションにおいても、また、開発現場でのITエンジニアのメンバーとのコミュニケーションにおいても、どちらにも活用できています。

ーいろいろなお話をここまで伺ってきましたが、最後にご自身とシードテックのこれからについて教えてください。

私自身とシードテックのこれからは、ニアリーイコールの部分が大きいので、まとめて回答しようと思います。

シードテックは、ITエンジニアの育成とオフショア・ニアショア開発を高いレベルで両立できていますが、この「育成」と「開発」という2つの機能を有している企業は、実はなかなかありません。

IT人材不足という社会課題に紐づいた、それぞれの企業のIT人材にまつわる課題に対して、①IT人材育成、②IT人材の採用・活用、③外部のITエンジニアチームへの開発依頼といった、企業の状況に合わせた多様な選択肢を提示できることが、私たちのユニークポイントです。親会社であるギークスの「ITフリーランス活用」、そして先日立ち上げたITソリューション事業を含めれば、これまで以上に1社1社にカスタマイズした提案が可能となります。

IT留学から始まったシードテックなので、ITエンジニアを育てていくという意識が常に備わっていますし、その裏返しとして、学習意欲の高い、向上心のあるITエンジニアが集まった組織でもあります。ぜひ、IT人材育成やシステム開発の面で課題を感じていたら、お声かけいただけると嬉しいですね。最後は営業になってしまいました(笑)。

ーありがとうございました!

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